昭和名作館

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「少年探偵団 首なし男」~~二十面相の驚異の大発明

 

少年探偵団 首なし男
1958(昭和33)年/東映
監督:小林恒夫
出演:波島進/伊藤雄之助/中原ひとみ/神田隆/宇佐美諄/高木二朗/小宮光江


東映の少年探偵団シリーズ第八作目。『少年探偵団 透明怪人』の続編です。
二十面相の驚くべき発明が明らかとなり、明智や中村捜査課長がシリーズ史上最大のピンチを迎えます。

 

【あらすじ】
捕らえられた小泉少年と篠崎少年は、二十面相(伊藤雄之助)が発明した機械で透明人間にされる。
島田邸の王冠が盗まれた事件について、明智(波島進)は透明人間は二人いるのではないかと推測。関係者の指紋をとったところ、金庫には島田博士(宇佐美諄)の他に新聞記者・黒田(高木二朗)の指紋も付着していた。
捜査中の大友少年もまた捕まり透明人間にされてしまった。少年探偵団は、大友少年らが閉じ込められている二十面相の基地を発見する。明智はバスに乗って現場へ向かおうとするが、バスの運転手は透明人間だった。待ち伏せていた二十面相の手下たちに捕らえられた明智。透明人間にされそうになるが、機械が故障し、明智は牢に閉じ込められる。そこには黒田と光枝(小宮光江)、そして透明人間にされた少年三人も閉じ込められていた。
さらには、マリ子(中原ひとみ)と中村(神田隆)も二十面相に誘い出されて透明人間にされそうになるが…。


序盤おどろおどろしい「墓場鬼太郎」みたいな世界に迷い込んだかと思えば、後半は原子炉爆破予告を受けて都民に退避命令発令&自衛隊が出動するという怪獣映画みたいな展開になったり…と、なかなか面白い本作。

二十面相が発明した機械で少年たちが次々に透明人間にされるわけですが、この機械がなかなか恐ろしい。機械から発射された放射能を浴びた人間は透明人間となり、一年経ったら死んでしまうのです。ただし、一度透明人間になってしまっても、「TOEの還元ボタン」を押して光線を浴びれば元の体に戻るらしい。
一体どういう原理でそんなことが可能なのか?などと突っ込んではいけないのでしょう。
なんにせよ、子どもに大量の放射能を浴びせるとか鬼畜すぎる。
このシリーズ、回を追うごとに二十面相の残酷度がぐんぐん増してきてますね。

そんな二十面相くんには大きな野望がありました。
「エジプトに行って王冠を預け、ウラニウム鉱を頂戴して世界一の金持ちになると同時に、膨大なウラニウムを所有する力をもって世界中を俺のものにしてしまうのだ。フハハハハハ!!」
二十面相自身も、透明人間になるために何度も機械を使って放射能を浴びているはずです。還元ボタンで元の姿に戻るとはいえ、そう何度も何度も被曝していたら、世界一の金持ちになる前に死んでしまうのでは?という素朴な疑問が湧いてきます。

二十面相は三人の少年たちを透明人間にしてしまいますが、それ以前に作り出した「透明人間一号」というのが存在します。一号には王冠を盗ませているのですが、この透明人間一号の正体が誰なのかは明かされておりません。
映画サイトに掲載されているあらすじを読むと、機械の発明者が透明人間一号にされてしまった…となっていますが、劇中では発明者の話題は一切出てきません。しかも二十面相は「私が大発明を完成した」と言っていますし。
まぁ、謎は謎のままの方が面白いのかもしれませんね。

明智・中村・マリ子を捕らえた二十面相が、スクリーンの前にいる観衆に語りかける場面があります。
「どうでしょう、こいつらをただ透明人間にするだけでは面白くありませんね。このへんで一つ、みなさんに興味ある楽しい遊戯をご披露するとしましょう」
…この場面、当時劇場で観ていた少年たちからは「うるせーバカ!」「明智先生をかえせ!!」などと野次が飛んだりしたのでしょうか。そういうところに想像を巡らせるのもまた楽しいですね。
ここから始まる明智vs二十面相のフェンシングも見ものです。華麗な剣さばきを見せる明智ですが、実は…!?という展開も面白い。

色んな駆け引きもあって、なかなか見応えがある本作。
シリーズ中でも屈指の傑作だと思います。