昭和名作館

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「少年探偵団 二十面相の復讐」~~”夜光の帝王”に隠された地図

少年探偵団 二十面相の復讐
1957(昭和32)年/東映
監督:石原均
出演:波島進/小牧正英/中村雅子/増田順二/神田隆
主題歌:「少年探偵団の唄」宮下匡司/上高田少年合唱団/コロムビア・オーケストラ


東映の少年探偵団シリーズ第五作目。
本作からは波島進が明智小五郎を演じています。

 

【あらすじ】
ある嵐の夜、柳沢邸が二十面相に襲撃されるが、柳沢(増田順二)には狙われる心当たりがなかった。
柳沢の先祖は代々信州柳沢藩の藩主で、八代目ヤスマサは歴史上謎の人物とされているが、幕府が発見した金山の発掘を命じられその地で消息を絶ったと考えられている。柳沢家に古くから伝わる懐中時計「夜光の帝王」…明智(波島進)は、その時計に金山の地図の一部が彫刻されているのを発見する。二十面相が金山を狙うのであれば、そこには他にも何か隠されているのではと明智らは睨む。
ある日、柳沢邸のパーティー会場に現れた二十面相は懐中時計を奪う。しかし、それが偽物であると気付いた二十面相から柳沢邸に脅迫状が届く。本物の夜光の帝王を娘・雪子(森美代志)に持たせ、ナイターの試合会場に来いというのだ…。


本作は上映時間が34分と、シリーズ中で最も短い作品となっております。
淡々と話が進んでいきますが、短い枠の中でよくまとまった作品だと思います。

二十面相を演じている小牧正英さんは、日本バレエ界のパイオニアと称される有名なバレエダンサーだそうで。私は本作で小牧さんのことを知ったのですが、本当に凄い方なのですね。
柳沢邸のパーティーシーンでは、約3分に渡って華麗なダンスを披露。仮面を外した時にのぞいた不気味な顔は、まさに怪人といった感じですね。
それにしても、これでもかというくらい怪しくわかりやすい登場をしてくれた怪人様なのに、それに全く気付かない明智らは無能すぎやしませんかね…。
小牧二十面相は、逃走中も華麗な身のこなしを見せてくれます。
台詞は吹き替えっぽいような気がしないでもないですが、なかなかナイスなキャスティングではないでしょうか。

パーティーシーンでもうひとつ良かったのが音楽。
楽団が童謡『七つの子』を演奏しているのですが、これがとってもムーディーで洒落たアレンジ。大人の社交場にふさわしいパーティーBGMとなっていて、なんかすごくイイもの聴けたな~と感動しちゃいました。
わざわざ童謡をセレクトしたのは、本作を観ている少年少女に音楽も楽しんでもらえるようにという配慮からでしょうか。

ナイターのシーンでは、後楽園球場の本物のプロ野球の試合映像が使われています。おそらく、毎日オリオンズの主催試合と思われます。当時のプロ野球観戦の熱狂的な空気を味わえるのがいいですね。
突如スコアボードの得点経過がパタパタとひっくり返って、そこに二十面相のメッセージが表示される演出なんかも最高!野球好きにはたまらなくシビれちゃいます。

本作では、なぜ二十面相が金山の地図を狙っているのか、その本当の理由までは語られていません。
気になって次を観ずにはいられない!という衝動に駆られますね、これは。
当時本作を観た少年たちも、次作が公開される翌週が待ち遠しかったのではないでしょうか。

『少年探偵団 夜光の魔人』につづきます。