昭和名作館

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「記録映画 東海道新幹線」~~東海道新幹線開業までの全て

記録映画 東海道新幹線
1963(昭和38)年
企画:日本国有鉄道
製作:新理研科学映画


東海道新幹線の工事着工から開業の日までを克明に記録したドキュメンタリー映画です。

当時、東海道沿線には国の総人口の約4割が集中しており、輸送量が年々増え続ける一方で輸送力は限界に達していて、それを解消するために新幹線建設が計画されたのですね。

1959(昭和34)年4月20日に起工式が行われ、そこから工事が始まるわけですが、完成までの軌跡が本当に細かい部分まで記録されています。
試作車両の製造風景、軌框の組み立て、高架の基礎工事、トンネル工事、始発駅となる東京駅の改修工事の様子、終着・新大阪駅の建設風景、用地買収、運転手・整備士の養成…などなど。
現在線と新幹線との違いもわかりやすく解説されています。

特にトンネル工事については興味深く観ました。『黒部の太陽』(黒部ダム)や『海峡』(青函トンネル)などトンネル工事を扱った作品はいくつかありますが、実際の工事風景を見る機会というのはなかなかありませんので、本物の「最後の発破」の瞬間を見られたのは感動しました。トンネルもの映画に対する理解もより深まりそうです。
鉄道のことなど何もわからない私ですが、本作を通して開通するまでの細かい過程というのがよく理解できましたし、ひとつひとつのパーツが出来上がって完成に近づいていく様子を見るのはとてもワクワクしました。

普段何気なく乗っている新幹線ですが、車内の特殊な構造についての解説なども非常に勉強になりました。どういう構造になっているかなんて考えたこともなかったですが、快適な車内環境を保つためにこんな秘密があったのね~…と、ただただ感心です。

1963(昭和38)年3月30日午前9時46分32秒…最高速度試運転にて、当時世界最高速度の256km/hを記録します。
素晴らしき日本の技術力!終戦からわずか二十年足らずでこんなものを走らせてしまうのですから、本当に凄いとしか言いようがないです。

1964(昭和39年)10月1日に東海道新幹線は営業開始するわけですが、わずか5年6ヵ月でこのような大規模工事を完了させたというのは本当に驚くべきことであると思います。

私は特に鉄道が好きというわけではありませんが、そんな私にとってもかなり興味深い内容の作品でありました。鉄道ファンの方が本作を観たら、かなり興奮するのではないでしょうか。
まだ自然の残る美しい沿線風景も印象深く、高度経済成長期の日本の活気が感じられ、すべてが輝いて見えますね。
鉄道ファンの方もそうでない方も、機会があれば是非観ていただきたい素晴らしい記録映画です。