昭和名作館

音楽・映画・本など・・・昭和作品あれこれ。

「青年の椅子」~~青年よ、前を向け!!

青年の椅子
1962(昭和37)年/日活
監督:西河克己
出演:石原裕次郎/芦川いづみ/水谷良重/山田吾一/宇野重吉/東野英治郎/滝沢修/高橋昌也/谷村昌彦/藤村有弘/芦田伸介
主題歌:「ふるさと慕情」石原裕次郎


源氏鶏太原作の同名小説の映画化作品。
熱血裕次郎くんが躍動するサラリーマンものです!


日東電機工業は、鬼怒川温泉にお得意様を招待して盛大な宴会を開催しようとしていた。社内から選抜された接待メンバーの中には、タイピストの伊関十三子(芦川いづみ)や、ひと月前に九州支店から転勤してきた高坂虎彦(石原裕次郎)らがいた。
宴会接待の場で、酒癖悪く大暴れしていた大株主の畑田商会会長・畑田元十郎(東野英治郎)を投げ飛ばしてしまった高坂。宴会後、偶然風呂で畑田と鉢合わせるが、二人は仲直りしてすっかり意気投合してしまう。
畑田の話によると、営業部長の湯浅(宇野重吉)を失脚させようとしている人間が日東電機社内にいるらしく、総務部長の菱山(滝沢修)が怪しいという…。


社内に渦巻く陰謀に感づいたサラリーマン裕次郎くんが、上司の宇野重吉のために立ち上がり戦う!
心から尊敬できる上司に巡り合うというのはとても幸せなことであるし、人のために涙を流せるというのもまた幸せなことですね。

酒癖悪い客ナンバーワンの東野英治郎…こういうオッサンいるいる~!って思わず笑ってしまった。今も昔も接待ってのは大変ですね。こんなウザキャラの相手するのは稀だろうけれど、職業柄接待しなきゃならん人たちって本当大変だと思うわ。
このオッサン、酒が入ると相当ウザくて迷惑以外の何物でもないんだけど、実は人情家で筋が通ってて強力な味方になってくれる良いオッサンです。
しかし、いくら大株主とはいえ、なんで外部の人間である東野英治郎が日東電機の内部事情をそこまで知ってんだ…という疑問はありますな。

コイツは物語にあんまり絡んでこないだろうと思っていた脇キャラが実は重大な秘密を握っていたり、意外な人間と絡みつつ、裕次郎くんがズバリ!黒い陰謀を告発します。

全ての真相が明らかになる場面はあまりにもアッサリしすぎで「アンタなんでそんなにベラベラ喋っちゃってんの???」って思ったりするんですが、まぁそれは置いといて…。
尊敬する上司のために涙を流しつつ、命がけで奔走する裕次郎の姿は本当にカッコよく、全てが解決した瞬間は実に爽快です!!

「青年から夢を取ったら、何が残るとです!」という裕次郎のセリフが、ずーっと頭の中で響いております。熱血サラリーマン裕次郎くんから若者たちへの「青年たるものこうであれ!」という応援歌的な作品とも思えます。
この無気力な時代だからこそ、私はこういうエネルギッシュな作品が観たくて観たくて仕方がないのです。

そしてそして、私の憧れの芦川いづみ様、本作でもその美しいお姿を堪能出来て感激です。
本作のいづみちゃんは、ちょっと口うるさい威勢のよい姉ちゃんって感じ。裕次郎から「おふくろさん」というあだ名で呼ばれている通り、どこか母ちゃんぽい女子です。一歩間違えれば単なるお節介ババアになりかねないようなキャラですが、全く嫌味に感じないのが、いづみちゃんの素晴らしいところです。
タイピストという職種を活かしての裕次郎へのアプローチもなかなか面白い!

いづみちゃんと裕次郎だけでなく、周りの人間も巻き込んだ恋模様に注目です。

足取りも軽く想い人の元へと駆けだつけたくなるような爽やかな気分で鑑賞を終えました。