昭和名作館

音楽・映画・本など・・・昭和作品あれこれ。

「ピンク・レディーの活動大写真」~~なんでもござれのスーパーアイドル映画!

ピンク・レディーの活動大写真
1978(昭和53)年/東宝
監督:小谷承靖
出演:ピンク・レディー(根本美鶴代/増田恵子)/石立鉄男/田中邦衛/秋野太作/田中健/春川ますみ/なべおさみ/ビル・ロス/佐藤蛾次郎/丹古母鬼馬二/岡本富士太/田中浩/樹れい子


本作は3話オムニバス形式の作品で、ピンク・レディーの唯一の主演映画である。
昭和のアイドル映画が大好きな私にとっては、最初から最後までウッキウキのワックワクで楽しくって仕方ない作品だった。ピンク・レディーファンや昭和の音楽ファンにとっては堪らなく愛おしい作品になること間違いなし!
(ただし、その辺に興味がない人にとっては結構キツイ作品かもしれない…笑。)


映画プロデューサーの白川仙吉(石立鉄男)、映画監督の赤沢信平(田中邦衛)、脚本家の青田宏(秋野太作)は、ピンク・レディーの主演映画の企画会議を行っていた。
互いの案を出し主張し合うが、なかなか意見が合わず…。


ピンクレディ主演で映画をつくろう!…ということで三人の男たちが企画案を出し合い、三本の劇中劇が展開される。

 

秋野太作プレゼンツ・下町人情劇


一本目は脚本家・秋野太作の企画案で、ミーとケイが下町に暮らす姉妹を演じる人情劇。
姉のケイは看護婦で、患者(春川ますみ)の息子で貿易会社に勤める田中高之(田中健)と結婚しようと思っている。一方、妹で信用金庫で働くOLのミーにもまた結婚を考えている恋人がおり、相手はスナック「シンドバッド」のバーテンをやっている服部という男だという。しかし、ケイはその服部という男を見て驚く。なんと、ケイが結婚しようと思っていた田中健ではないか!! 

姉妹で同じ男を好きになってしまうのだが、葛藤に揺れながらも互いを思いやる美しい姉妹愛が描かれている。妹のために最後に一芝居打つケイの姿にホロリとくる。
安っぽい昼ドラチックな展開には笑ってしまうが、三本の企画案の中ではこれが一番好み。
看護婦姿のケイがなかなかステキです♪

 

石立鉄男プレゼンツ・SF作品

 
二本目はプロデューサー・石立鉄男の企画案で、サーカス団員に扮した二人とモンスターの交流を描くSF作品。
アラスカの氷河で捕獲されたモンスターが「メグレ大サーカス」に客寄せの目玉として買い取られ、ミーとケイは訓練&飼育係に。モンちゃんに酷い仕打ちをするサーカスの団長&団員たちだったが、二人だけはモンちゃんに親切に接する。実はモンちゃんは宇宙人で、ミーとケイはモンちゃんの宇宙船に招待され、「僕たちと一緒に平和なパラド星へ行きましょう」と誘われる…。

当時ヒットしていた『未知との遭遇』のパロディっぽいストーリー。
モンスターのモンちゃんはピンク×白の巨大着ぐるみ。一見可愛いようで、よくよく見ると困ったオッサンみたいな顔で…なんだか妙にリアルでちょっとコワイ(笑)
ポップな雰囲気を前面に押し出したドタバタコメディといった感じで、三本の企画案の中ではこの案が一番お子様ウケが良さそう。このエピソードの途中で流れる『UFO』の歌唱シーンは後楽園球場でのコンサート映像が使われていて、私個人的にはそこが本作での一番の見どころだと思った。

 

田中邦衛プレゼンツ・西部劇


三本目は監督・田中邦衛の企画案で、テキサスのとある町を舞台にした西部劇。
ミーとケイは酒場の歌姫で、ケイはオニオン牧場のシュガー(岡本富士太)と深い仲にある。ならず者のガーリック一味とシュガーが揉めて騒ぎを起こすが、そこにペッパー保安官(田中邦衛)が現れる…。

これはピンク・レディーのための映画企画ってよりも、監督・田中邦衛が自分が目立ちたいがために企画した自作自演映画といった感じ(笑)
岡本富士太も田中邦衛も、みんな無駄にカッコイイ。最後はみんな居なくなり、邦衛はミーに嫌われて終わる(笑)
ピンク・レディーの二人が西部劇の衣装に身を包んで歌う姿は見応え満点。キラキラのステージ衣装とはまた違った迫力と魅力があり素敵!一見の価値ありですよ!!

それにしても、一本目も三本目も、ケイの恋が全く報われないのは可哀想すぎる。
ちょっとくらい幸せにしてあげてもいいじゃんよ~(ノД`)・゜・。


挿入歌はデビュー曲の『ペッパー警部』から『カメレオン・アーミー』までの全10曲で、曲のタイトルにちなんだパロディを色んなところに絡めてくるのが楽しい。
上述の後楽園球場での華やかなコンサート映像など、なかなか貴重なものを見られたのもポイント高し。
それにしても、これだけ激しいダンスをしながらちゃんと歌ってたのだから本当にスゴイよな~と、本作を鑑賞して再認識。ピンク・レディーは本物のアイドルであり、最近の口パクアイドルとは格が違い過ぎる。

プロデューサーらが会議をしている部屋には、『ジョーズ』をパロッた『DOJAWS(ドジョーズ)3』という映画のポスターが貼ってあったりする。
キャッチコピーは「早春田植が始まった時 第3の恐怖が始まった!!」
…よくわからないが、ドジョウが大暴れするという映画らしい。正直、本作で一番気になったのがこのポスターだった(笑)
これも劇中劇でやってくれたら相当面白いことになったんじゃないかと、勝手に思ったりしたのだった。

 

⇒「ピンク・レディーの活動大写真」を観る