昭和名作館

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「トラック野郎 熱風5000キロ」~~それぞれの旅立ち

トラック野郎 熱風5000キロ
1979(昭和54)年/東映
監督:鈴木則文
出演:菅原文太/愛川欽也/せんだみつお/小野みゆき/地井武男/工藤堅太郎/春川ますみ/松本ちえこ/金田龍之介/二宮さよ子
挿入歌:「ラブ・スクランブラー」エル・シャトル
    「信濃路ひとり旅」高倉三郎


マドンナに小野みゆきを迎えたシリーズ9作目。
今回は長野を舞台に、お馴染のメンバーがドタバタ劇を繰り広げる。


身に覚えのない当て逃げ容疑で突然警察に捕まった桃次郎(菅原文太)。被害者だという西沢夏(小野みゆき)の顔にも見覚えはない。結局、以前頼んだ運転代行業者の仕業だったことが発覚し、桃次郎と夏は和解する。
玉三郎(せんだみつお)はトラック乗りをやめて、ドライブインで働き始める。
ジョナサン(愛川欽也)は、映写技師上がりの運転手・安曇野こと小林太一(工藤堅太郎)の紹介で木曽運送で材木運搬の仕事を始めるが、仕事中にケガをしてしまう。ジョナサンの仕事を代わってやろうと木曽運送へ向かった桃次郎。そこで総配をしていたのは夏だった…。


前作では使われなかった主題歌が復活!
しかし、ジョナサン家の四女で養女の由美がなぜかいなくなっている。一体どこへ行ってしまったのか。ちなみに次作にも出てこない。

流行りモノ枠では、インベーダーゲームが登場したり、桃さんがアブドーラ・ザ・ブッチャーの名前を叫んでたりする。
プロレス好きな父の影響で子どもの頃はよくプロレス中継を観たものだが、ブッチャーやハンセンは本当に怖かった。私は一応女なのだが、ウエスタンラリアットなどの必殺技をかましていた子ども時代を思い出してとても懐かしかった。プロレス万歳\(^o^)/

途中、スクランブラーに乗ってピンク・レディーみたいなお姉さん二人組が出てくるのだが、これが挿入歌の『ラブ・スクランブラー』を歌っているエル・シャトル。
無理矢理ねじ込んできた感が半端ないし、売れなかったのかもしれないけれど、これがなかなかいい曲だったりする。

安曇野の弔いシーンは、『望郷一番星』での宮城縣追悼の盆踊りを思い出す。 
石田一松の『酋長の娘』を歌いながら野郎どもが踊るのだが、陽気なコミックソングをみんなが歌って踊って騒げば騒ぐほど、安曇野の優しい笑顔と芸が思い出されて泣ける。
『酋長の娘』は、明治時代にトラック諸島のウエノ島(モエン島)に移住した森小弁がモデルになっているらしいのだが、トラック繋がりで劇中にこの曲を起用したのだろうか?などと考えてしまった。

ライバルのノサップ(地井武男)にもドラマがあるのがよい。
まぁ、ダイナマイトで橋を爆破しといてお咎めなしなのはどうかと思うが…。あの橋どうすんだよ、そのままにしてどっか行くんじゃないよ(笑)
実は夏と幼馴染だった…という展開は、女子的には結構キュンキュンくるものがあったぞよ。

今回のマドンナ・小野みゆきは男勝りの女トラッカーなのだが、桃さんがマドンナに特に思い入れがある風でもなく、失恋したショックを感じさせるわけでもない。しかし、たまにはこういうアッサリしたのもいいもんだ。

マンネリ化を打破しようと色々な試みがなされている作品だと思うが、ちょっと物足りないかも。やっぱりなんだかんだで、いつものお決まりパターンを期待してしまっている自分がいるのだ。

インベーダー喫茶と化したドライブインがその後どうなったのかが気がかりだ。
人間インベーダーには声出して笑ったが、あれが玉三郎の最後の姿になろうとは…。