昭和名作館

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「魔界転生(1981)」~~黄泉の国から

魔界転生
1981(昭和56)年/東映
監督:深作欣二
出演:千葉真一/沢田研二/佳那晃子/緒形拳/室田日出男/真田広之/松橋登/丹波哲郎/若山富三郎


1964(昭和39)年12月から大阪新聞に連載された山田風太郎の『おぼろ忍法帖』の初映画化作品。
天草四郎、宮本武蔵ら現世に未練を残して死んでいった者たちが甦り、それぞれの願望や復讐を果たしていく。


島原の乱が鎮圧されたその夜、雷鳴とともに天草四郎時貞(沢田研二)は甦った。徳川幕府への復讐を企てる四郎は、自分と同じく無念のうちに死んでいった人間を魔界へと引き込んでいく。
彼らの不穏な動きを悟った柳生十兵衛光厳(千葉真一)は、村正(丹波哲郎)に妖刀の製作を依頼する…。


全編に渡っておどろおどろしい雰囲気が漂う本作だが…。
オープニング、ジュリーの首がピューッと吹っ飛んだその瞬間!

「そーらを飛ぶ~♪ クビが飛ぶ~♪」

なぜかジュリーの『TOKIO』の替え歌が私の脳内で勝手にガンガン鳴り出し、笑いが止まらなくなってしまう。いやいや、全然笑うような場面じゃないんですけど。

「火~を吹いて~♪ 闇を裂き~♪ ジュリーのクビが舞い上がる~♪」

もうダメだ…一度笑いだしたら止まらない。
(※注:ジュリーは何も悪くありません。)

1981年といえば、最後の日劇ウエスタンカーニバルや、同窓会と銘打ったタイガースの再結成(瞳みのる除く)があった年。
タイガース時代のアイドル的な輝きとはまた違って、この頃のジュリーには妖艶な美しさがある。天草四郎の煌びやかな衣装もピッタリだ。

ジュリーと真田広之の絡みはとても綺麗だった。美しい男性同士の絡みというのはこんなにもドキドキさせられるものなのかと、感動すら覚えた。
ついでに、あそこに松橋登も加えた画も観てみたかった。徳川家綱を絡ませるのは展開上無理があるかもしれないが、絶対美しい画になりそうだ。

しかし肝心なストーリーについては、果たしてあれで本当の意味での復讐になっているのか疑問だ。天草四郎はただの悪者になっていやしないか。
他の連中についても、特に宝蔵院胤舜のエピソードなんて本当にくだらないと思ってしまったのだが。

千葉真一と若山富三郎の殺陣は大迫力で、凄まじくカッコイイ。
ラストの大炎上する江戸城での対決は圧巻。このシーンは実際にセットを燃やして撮影しており、まさに命がけの真剣勝負である。今の時代には、こういう画は撮れないだろう。

最後に天草四郎は言う。
「人間がこの世にある限り、私は必ず戻ってくる」
誰の心にも魔界への入り口は存在しているのだろう。