昭和名作館

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「セカンド・ラブ」~~愛と生きがいを求めて

セカンド・ラブ
1983(昭和58)年/東映
監督:東陽一
出演:大原麗子/小林薫/アイ・ジョージ/中村れい子/長谷川初範/西岡徳馬/河原崎建三/荒木道子/赤座美代子


「少し愛して、なが~く愛して」のコピーが印象的だったサントリーレッドのCMが一世を風靡し、当時人気絶頂だった大原麗子。本作は彼女の数少ない主演映画の一本である。
事件に巻き込まれ、夫婦関係に悩みながらも、強く生きていく若い再婚女性の姿を描いている。


グリーン・コーディネーターの日向一実(大原麗子)は、建築家の秀夫(小林薫)と再婚して二年目。自宅には頻繁に無言電話がかかってくるが、秀夫は一実の元夫の仕業ではないかと疑う。
一実の行きつけのジャズ喫茶のマスター・友春(アイ・ジョージ)は一実に熱い視線を送り、秀夫はライターの展子(中村れい子)と親密な関係になる。
ある夜、一実が個展の打ち上げを終えて家に帰ると、台所で見知らぬ男が死んでいた…。


なんだか昼ドラみたいな展開。とはいっても、奥様方が夢中になるようなドロドロのメロドラマという風でもないし、何もかもが中途半端な印象。

小林薫の遊び相手の中村れい子は、取材をしていたかと思えば歌手としてステージに立ってたり…何が本業なのかは不明なのだが、当時はこういう自由な生き方をしてる人はまだまだ珍しかっただろう。
中村れい子はお世辞にも演技が上手いとはいえないし、申し訳ないけれど歌も聞くに堪えないレベル。「私は魔女なの」とか言われても…あぁ、そうなんすか…。まぁ、すごくキレイだし、こういう魔性の女の役にはピッタリだね。

なぜ台所で知らない男が死んでいたのか、アイ・ジョージが勝手な推理を語るのだが、それを聞いた大原麗子が「すごーい!警察に知らせてやりたいわ」とか言っちゃってたり、色々おかしいだろう…。素人のいい加減な推理を警察に聞かせてどうすんのさ。

大原麗子と小林薫はくだらないことですぐに激しく言い合うし、隣家の夫婦も喧嘩が絶えず、とにかくガチャガチャうるさい。
夫婦の罵り合いに付き合わされた上に、悲劇のヒロイン気取りのポエムを聞かされたりする周りの人間はたまらんわな。

ラストは「魔女の呪い」ということなのだろうが、そのおかげで夫婦仲も取り戻せたようだし、結果オーライというところか。
最後はみんな戻るべき家族の元へ戻ってハッピーエンド!って感じにしたかったんだろうけど、なんだかスッキリしない。

無言電話の相手は?台所で死んでた男は結局なんで日向家に上がり込んでたのか?
問題全てが未解決のまま終わってしまい、観ている側は完全に置き去りにされた感じだ。

この作品を巡っては、東映と大原サイドで色々揉めて騒ぎになったようだが、結局話題性に頼らなければならない程度の内容としか思えなかった。

ただ、自立して強く生きていこうとする女性の姿を描いたという点では評価できるかな。
グリーン・コーディネーターという自分の感性を生かす新しい職業や、ひとつの仕事にとらわれずに好きなことをして生きていくスタイルは、当時としては斬新だったろうし、こういう自立した女性の新しい生き方に憧れる人も多かったのではないかな。それが当たり前となった今では特に何も感じるものはないのだけど、公開当時に観ていたらもっと評価は違ったかもしれない。

【ビデオ配信】セカンド・ラブ