昭和名作館

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「トラック野郎 天下御免」~~恋の巡礼

トラック野郎 天下御免
1976(昭和51)年/東映
監督:鈴木則文
出演:菅原文太/愛川欽也/由美かおる/松原智恵子/杉浦直樹/マッハ文朱/鳳啓助/京唄子/金子信雄
主題歌:「一番星ブルース」菅原文太・愛川欽也
挿入歌:「夜のひとりごと」由美かおる

 

マドンナに由美かおるを迎えたシリーズ4作目。
今回はお下品度はグッと抑え目で、お上品な作品に。とはいっても、普通の映画に比べたらずっと下品なことに変わりはないのだが(笑)


四国に渡った桃次郎(菅原文太)とジョナサン(愛川欽也)は、途中立ち寄ったトイレで巡礼姿の美女・我妻和歌子(由美かおる)に出会い、桃次郎は一目惚れしてしまう。
帰りに立ち寄った倉敷のドライブインで、ジョナサンは店主の亀頭夫妻(鳳啓助・京唄子)からある相談を持ち掛けられる。ジョナサンの三女・サヤ子(吉田利香)を養女に貰いたいというのだ…。


本作ではこれまでよりも人情味が増して、寅さんシリーズのような雰囲気が漂う作品になっている。

人生に行き詰った若い女が自ら命を絶とうとしたり、ジョナサンの娘が養子に出されたりと、全体的にちょっと重たくしんみり。

養子に出されたジョナサンの三女・サヤ子だが、演じている子役の女の子が笑うでもなく泣くでもなく、ただただ寂しそうな顔を見せるのが切なくて泣ける。
それにしても、養子に出す決断ってこんなに簡単に出来るものなのだろうか。あっさりしすぎだろう。最終的には戻ることになるからいいけど。

今回はキレイどころが揃い踏み。
マドンナの由美かおるもいいけれど、第二のマドンナ的な松原智恵子が本当にキレイで見とれてしまう。重いものを背負った陰のある女という設定が、彼女の繊細で儚げな美しさをより際立たせている。
さらにはミキサー車の運ちゃん・マッハ文朱も絡んで、女の子に沢山囲まれちゃって、桃さんウハウハだね。
マッハ文朱というと、私の世代だと『クイズ!!ひらめきパスワード』に出てたな~くらいの認識しかないのだが、本作では桃さんをボッコボコにしており、元女子プロレスラーの片鱗を見ることが出来て感動した。

桃さんが和歌子に出したラブレターは、乙女全開で笑える。
手紙には熱烈な求愛の文章とともに『ベルサイユのばら』みたいな少女漫画チックなイラストも添えられているのだが、あの絵も桃さんが一生懸命に描いたのだろうか?いい年こいたオッサンがあんなキラキライラストを描いてるところを想像しただけで笑える。
そして今回もまた周りの人間の勘違いにより、桃さんのラブレターは和歌子の手には渡らないのであった。しかも、あんな恥ずかしい手紙を人に読まれるという悲惨なオマケ付き。桃さん、頑張れ!!

今回のライバル・コリーダ(杉浦直樹)は、『キャット・バルー』のリー・マーヴィンっぽいと思った。カッコイイんだけど、なんかちょっとズレてる感がね。
宇和島の闘牛モチーフのトラックもカッコイイし、桃さんのライバルの中では結構好きだわ。

コリーダはなかなかいいキャラだったと思うのだが、それを活かしきれていないような気もする。もう少しはっちゃけてもよかったんじゃないかな。
このシリーズでは珍しく大人しくまとまりすぎた感もあり、もうちょっと勢いが欲しかった。