昭和名作館

音楽・映画・本など・・・昭和作品あれこれ。

「ええじゃないか」~~近頃は、わからない♪

ええじゃないか
1981(昭和56)年/松竹
監督:今村昌平
出演:泉谷しげる/桃井かおり/露口茂/緒形拳/草刈正雄/樋浦勉/丹古母鬼馬二/火野正平/倍賞美津子/田中裕子/かわいのどか/犬塚弘/三木のり平/寺田農/小沢昭一


時代が大きく変わろうとしていた江戸末期の下層庶民の生活を、百姓一揆やええじゃないか騒動を織り交ぜて描く群像劇。
江戸の町を再現したオープンセットは見事の一言である。


慶応二年夏。6年ぶりにアメリカから戻った源次(泉谷しげる)は、東両国の見世物小屋に出ていた妻のイネ(桃井かおり)と再会。イネを連れて自由の国・アメリカへ再度渡ろうとするが、イネの決心がつかなかったため断念する。
親方からの命により源次は仲間とともに一揆を煽り、世直しを叫ぶ群衆は豪商を次々と襲っていく…。


蛇女・ろくろ首・眼力男…物語は賑やかな東両国の見世物小屋から始まり、たちまち江戸の庶民が暮らす世界へといざなわれる。
この作品全体が、なにか見世物的な雰囲気が漂っている。

個々のキャラクターが個性豊かでみな魅力的。
ただ、色々詰め込みすぎてしまって、とくに前半はちょっと散漫な印象。

ぼけっと観ていたら、いきなり河野洋平が出てきてビックリした。こんなとこでなにしてんだ。

タイトルにもなっている「ええじゃないか」については、教科書で見た挿絵が強烈に印象に残っているものの、よくわからない部分も多い。
実際こんな感じだったのかどうかは知らないが、こうして映像にして見せられると、幟を立てて「ええじゃないか!ええじゃないか!」と民衆が歌い踊り狂う様は圧巻だ。その熱狂と爆発的エネルギーを目の当たりにして、時代が変わろうとしているまさにその場に自分も立ち会っているような気分にさせられる。
このシーンが観られただけでも十分に価値がある作品だと思わせてくれる。本当によくこんな画が撮れたな~と、ただ感動。

復讐を果たした草刈正雄が血塗りの帆を張るシーンも、なにか新しい時代の到来を予感させるものがある。

ラストはちょっと切ないけれど、いつの時代もこうして歴史が作られてきたのだろうな。

興行成績はあまり良くなかったみたいだけど、もっと評価されてもよい作品なんじゃないかな。