昭和名作館

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「刑事物語」~~戦え!ハンガー野郎

刑事物語
1982(昭和57)年/東宝
監督:渡邊祐介
出演:武田鉄矢/有賀久代/仲谷昇/小林昭二/三上真一郎/岡本富士太/樹木希林/花沢徳衛/田中邦衛/西田敏行/高倉健


武田鉄矢原作・脚本・主演(原作は片山蒼名義)の刑事物語シリーズ第一作目。
キレッキレのハンガーヌンチャク・アクションは必見!!


刑事の片山元(武田鉄矢)は、ガサ入れ先で聾者の女性・ひさ子(有賀久代)と出会う。片山はひさ子に同情し彼女の身柄を引きとり、博多から沼津への転勤を命じられると、ひさ子も一緒に沼津へ連れて行く。ボロアパートで共同生活をすることになった片山とひさ子。そんな二人を陰からじっと見ている男がいた。
沼津署に出勤した片山は、早速とある事件の捜査班に加わることになる…。


ところどころに笑いをぶっこんでくるのであまり暗さは感じないけれど、なかなか重たい話だね。

武田鉄矢が演じる片山は一見気の弱そうな刑事だが、実は蟷螂拳の使い手というスゲエ奴。ヘマもするけど、心優しくてアツくていい男なんだよねぇ。

で、そんな片山が説得を試みた相手、自称「河合奈保子」「松田聖子」「淡谷のり子」の女子高生三人組が強烈すぎる(笑)そして、ぴったしカンカンとかの当時ネタが懐かしすぎる!
土下座すんのはやりすぎだろ!とは思うけど、やっぱりこういう子たちの救済にはこういう人間が必要なのかな。なんだかんだ言って悪ぶってたって、結局みんな自分が大事なんだし、寂しい人間なんだ。そして、こういう難しいタイプの子たちこそ打たれ弱くて人に対する警戒心も強かったりする。どうやらこのオッサンは敵ではないらしい…と思わせただけでも、片山はなかなかデキる男だな、と思わせる。

なんか、この映画に出てくる人たちって、みんな悲しい目をしてるんだよね。
観ていて、ズーンと心の底に重くのしかかってくるものがある。

外の世界に憧れる、先天性の聴覚障害があるひさ子。
八百屋で買い物したり色んな人と交流する自由な自分を想像するときのあの表情…それまでにはなかった楽しそうな可愛い笑顔を見せたかと思うと、急に寂しそうな顔になる。もうなんともいえず切ない。
ひさ子を演じた有賀久代という女優さん、キレイだし演技も上手いと思ったのだけど、どうやらこの作品出演後に引退されたようですね。本当にもったいない!

肝心な事件の展開については、ツッコミどころも多く、先が読めちゃった感があったけど、まぁそれはそれでいいわ。
この映画に関しては、事件よりも恋愛パートの方が素晴らしかったわ。

田中邦衛が全然喋らないな~と思っていたら、ラストで…あああ、そういうことだったのか~!!!
武田鉄矢も田中邦衛もカッコよすぎ。特に、田中邦衛の涙に魅せられた。
恋愛エピソードで泣くことなんてほとんどない私だけど、こういうのはダメだわ…もう涙ボロボロ…(ノД`)・゜・。

吉田拓郎が歌う主題歌も、素敵な余韻を残してくれた。

それにしても、西田敏行や高倉健の使い方、ホントに贅沢だね(笑)