昭和名作館

音楽・映画・本など・・・昭和作品あれこれ。

「鴛鴦歌合戦」~~こんなに楽しい映画があるか!?

鴛鴦歌合戦
1939(昭和14)年/日活
監督:マキノ正博
出演:片岡千恵蔵/市川春代/志村喬/ディック・ミネ/香川良介/服部富子/深水藤子


冒頭から出演者が大いに歌いまくる、オペレッタ時代劇の傑作。

長屋で暮らす傘職人の志村狂斎(志村喬)は趣味の骨董に金をつぎ込み、娘のお春(市川春代)ともども、食っていくのにも苦労していた。
お春は浪人の浅井禮三郎(片岡千恵蔵)と心を通わせていたが、そこへ浅井の許嫁だという藤尾(深水藤子)が現れ、金持ちの香川屋の娘・おとみ(服部富子)の邪魔も入り、もつれにもつれた三角関係に。
さらには、ちょっとおバカな殿様・峰沢丹波守(ディック・ミネ)がお春を気に入ってしまい…。


こ、これは…楽しすぎる!!!
オープニングからウッキウキのワックワクが止まらない!そのままノリノリのテンションで完走!!
映画好きなら絶対楽しめる、さらに音楽好きなら10倍オイシイ作品ですな。

あんなに楽しそうに歌いまくる志村喬なんて初めて見たわ。
お春ちゃんがなかなかの音痴なのだが、それすらも可愛くって仕方がない。お春ちゃんはじめ、女性陣のなんと可憐なことよ!仕草のひとつひとつに釘付けよ。
そしてそして!バカ殿っぽいディック・ミネが家来の演奏を従えて歌う「道八茶碗の薀蓄ソング」が楽しすぎる!!ついつい一緒に口ずさんでしまう~♪

貧乏だったり、三角関係だったり、普通なら重苦しい展開になりそうなもんだが、この作品にはそんな空気は一切ない。それがなんですのん?とでも言わんばかりに、楽しい歌とともに、すべてがコミカルに楽しく展開していくのだ。

とにかく、個々のキャラクターが魅力的で、画面全体から溢れんばかりのエネルギーを感じる。

小道具の傘も華やかな彩りを添えていて、視覚的にも楽しい。
白黒作品だけど、鮮やかな色の世界がそこに見えるようだわ。

ラストはかなり衝撃的だったのだが、まぁ何だかんだでみんなハッピーになったみたいだし、めでたしめでたし♪


昭和14年というと日中戦争の真っ最中だと思うのだが、そんな時期に、戦争の影なんて微塵も感じさせないこのような楽しい映画が作られていたことに驚き。

とにかく、オープニングソングとディック・ミネの歌が頭から離れない…!観終ったあと、またすぐに何度も何度も聴きたくなってしまう~!!凄まじい中毒性!!
踊り出したくなるほどのワクワクに、鑑賞後の幸せな余韻!!
あまりに幸せすぎて、最後はなぜかわからないけど涙が出てきた。
こんなに楽しい映画にはなかなか出会えないでしょ!

そして…。
麦こがしを美味しそうに食べる志村喬を見ていたら、無性に麦こがしが食べたくなったのだった(笑)