昭和名作館

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「日本侠客伝 花と龍」~~泥臭くも美しく

日本侠客伝 花と龍
1969(昭和44)年/東映
監督:マキノ雅弘
出演:高倉健/星由里子/藤純子/二谷英明


日本侠客伝シリーズの9作目。
原作は火野葦平の『花と龍』。火野の両親、玉井金五郎とマンをモデルに書かれたものである。彼の著作では『麦と兵隊』とか『糞尿譚』とか好きなんだけど、これは未読だった。
任侠モノの映画ってこれまであまり観てないんだけど、火野葦平原作だということで、ちょっと楽しみに観てみた。
ちなみに、このシリーズを観たのは本作が初めて。一作ずつ独立した話になっているので、前作までの流れなどを気にすることなく十分に楽しめた。


日露戦争が終わった頃、玉井金五郎(高倉健)は戦友の大田新之助(二谷英明)を頼って沖仲士の職についた。
やがて自分で組を興すまでになるが、組同士の対立、仲間による裏切りなどに遭い…。


かなりハードな展開の血生臭いのを勝手に想像していたのだが、そうでもなかった。

労働者の力強さ、泥臭さ…人が生きていくための強さやエネルギーをジンジン感じ、権造連中が織りなす人間ドラマにどんどん惹きつけられる。
そして、金五郎の妻・マン(星由里子)の姿に見る、明治女の逞しさと美しさ。いつの時代も、女は強かったのだと思わせる。

壺ふりの女を演じる藤純子も、なんて美しいのかしら。ピストルを手にした立ち回りもカッコイイ。『緋牡丹博徒』のお竜みたいだね。
二谷英明が寝返るあたりは、オマエはそんなことで寝返んのかよ…と、女の腐ったような奴だな~と思ったりもしたが、ラストで全て許してしまった。オマエやっぱホントはイイ奴なのよなぁ…バカタレが(´;ω;`)

真っ直ぐに生きる金五郎とマン、そしてそれを取り巻く人物が皆とても魅力的。
物語の筋がよく、どんどん引き込まれていく。原作も読んでみたくなった。
任侠映画はあんまり…という方にもオススメしたい。私自身、任侠モノはあまり観なかったのに、すっかり楽しんでしまった。今更ながら、このシリーズにハマリそう。

【ビデオ配信】日本侠客伝 花と龍