昭和名作館

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「醜聞(スキャンダル)」~~マスゴミは今も昔もゴミだった

醜聞(スキャンダル)
1950(昭和25)年/松竹
監督:黒澤明
出演:三船敏郎/山口淑子/志村喬/桂木洋子/千石規子/小澤榮


黒澤明の初の松竹作品。
マスコミの横暴と、落ちぶれた弁護士の葛藤を描いた人間ドラマである。


青年画家(三船敏郎)と人気声楽家(山口淑子)の恋愛スキャンダルをでっち上げた雑誌社。
三船は雑誌社を告訴することを決め、売り込みに来た弁護士(志村喬)に弁護を依頼するのだが…。


ありもしないことをでっち上げておいて、「言論の自由のために闘う」とか尤もらしく言っちゃうあたり、ほんとマスコミってどうしようもないな~と。
あんたらの言う「言論の自由」って一体何なんだよっていう。

志村喬は、三船からの弁護の依頼を受けるものの、被告である雑誌社社長(小澤榮)に買収され、法廷を有利に進めるよう強請られる。

後半は、そんな志村喬の葛藤と懺悔がメインに描かれている。

『蛍の光』を合唱するシーンは、そこにいる全ての人間の弱さがそこに溢れているようで、なんとも言えない静かな感動がある。
志村喬と一緒に合唱する全ての人たちの姿に、自分の弱さが重なって見えた。

どうしようもないダメ人間であり、今度こそは改心する…と誓いを立てるも、どうにもこうにも立ち直れない。
そんな志村喬が、ある衝撃的な出来事がキッカケで本当に改心し、最後は自らが証言台に立つわけだが、そこに至るまでの経緯がちょっと唐突だし薄いかな~と。彼の中では色々な葛藤やら何やらがあったはずで、そこがすっ飛ばされてしまったのは少々残念な気がする。

でも、最後に「お星さま」を見ることが出来てよかった。
彼はその後も、美しく輝き続けたのだろうか。

人間っていうのは、どうしようもなく薄汚い存在でもあり、美しい存在でもあるんだな、と。


現代には「マスゴミ」というネット用語もあるけれど、昔からこういう体質は変わんないのかな。
最近の報道なんか見てても、マスコミのいい加減っぷりはよくわかるけどさ。
報道って、一体なんのための、誰のためのものなんでしょうね。