昭和名作館

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「太陽の季節」~~クズ高校生の青春日記

太陽の季節
1956(昭和31)年5月/日活
監督:古川卓巳
出演:長門裕之/南田洋子/三島耕/清水将夫/坪内美詠子/石原裕次郎


だいぶ前に一度鑑賞しているのだが、ラストは強烈に覚えているけどそれ以外の部分が全く記憶になく、どんなもんだったかな~と思いながら鑑賞。

う~ん、ひどい!
津川(長門裕之)とその兄、ただのクズでしょう…。
英子(南田洋子)も何故あんな男に惹かれるのか…。自分と同じニオイを感じるから惹かれ合うのかもしれないけど、もうあんな男放っておけよと言いたくなる。
裕福な家に育って、何がそんなに不満なんだよって思うけど、寂しさだったり、認められたいという思いだったり、親との関係だったり、社会への鬱憤だったり…まあ色々あるんでしょうな。難しいお年頃ではあるし、この作品で描かれているような鬱屈とした思いって誰でも抱える時期があると思うのだけど、それでもイマイチ理解に苦しむ。
ただ、現代の感覚ではこの映画に出てくるような若者ってなかなか理解できないところがあるのだけど、その根っこの闇の部分はとても深いものなのかな…とも思う。これは終戦直後の時代を生きていない私には到底理解できないものなのかもしれない。

 

津川をはじめ拳闘部の野郎どもは高校生のはずなのに全員老けすぎっていう。もっとどうにかならなかったのか…。どう見ても誰も高校生に見えない。

有名な障子破りのシーンは、津川がただ障子の近くに突っ立ってるだけにしか見えない。なんの予備知識もない人が見たら、「今のなに?」って感じの謎の画でしかないと思う。

それよりも、ヨットの上で若者たちが『証城寺の狸囃子』を歌うシーンが妙に印象に残る。
この曲をセレクトしたのには、なにか意図があったのかな?すごく気になります。


人を愛することができないという津川だが、ラストの彼の台詞に、英子への思いのすべてが詰まってる。あまりにも遅すぎたけどね。
どうでもいいけど、人の葬式で何てことするんだ。本当にどこまでも勝手な男だ。

受話器受けのオルゴールの美しくも悲しい響きが印象に残る作品でした。


ちなみに、この作品は石原裕次郎のデビュー作でもあるんですよね。
裕次郎、めっちゃカッコイイです!
端役で出演シーンは少ないけど、すごく目を引くし、彼が出てくると画面が締まる。
この頃から既に後の大スターとしての片鱗を感じさせる。

それから、長門裕之の兄を演じている三島耕がとってもステキ!
劇中ではどうしようもない下衆野郎を演じていますが、とにかくイイ男。
三島さんの出演作をもっと観てみたいな~と思ったのでした。